失踪者の名前を呼ぶ放送
その日は午後2時から商談があったのですが、その一時間ほど前に部下の高橋から電話がかかってきました。
通話の調子はひどく不安定で、電波の悪い場所にいるようでした。
ただ、声は途切れ途切れでしたが、どうやら道に迷っているらしいことはわかったんです。そこで私が「何か目印になるものはないか」と尋ねると、彼は「壁に…………のマーク……」と答えました。おそらく壁に目立つ目印のようなものを見つけたんだと思いますが、ほとんど聞き取ることはできませんでした。
そうこうしていると、通話の向こうから館内放送のような音声が聞こえてきました。
途切れ途切れの音声の中で、なぜか「高橋」という部下の名前が聞こえた気がしました。彼もそれを耳にしたようで「ぼく……呼ばれ……行ってき……」と、どこかに向かおうとしているようでした。それきり言葉は途絶え、数秒後に通話はぷつりと切れてしまいました。何度かけ直しても繋がることはなく、高橋は商談にも現れませんでした。
結局、彼の行方は今もわかっていません。
管理人メモ
彼が迷い込んだ場所には、壁になんらかの特徴的なマークが描かれていた。 そしてそれを目にしてから間もなく、消息を絶っている。 彼が目にしたのはXの投稿にあったあのマークなのではないかと思う。
もしかすると、あのマークを見たことによって何かに巻き込まれてしまったのかもしれない。